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2018.03.12

「起業の科学」著者が語る、日本の起業家が世界で勝てない理由

『起業の科学』著者の田所雅之 ベーシックCSO/ユニコーンファームCEO

起業は感性がモノを言うアートなのか、それとも再現性のあるサイエンスなのか──。スタートアップに関わる人々にとって永遠のテーマだが、この難問に対して「起業は科学」という立場を取るのが、ベーシックCSO(チーフ・ストラテジック・オフィサー)兼ユニコーンファームCEOの田所雅之氏だ。

田所氏は国内外のスタートアップに投資をするベンチャーキャピタリストであると同時に、日本で4社、シリコンバレーで1社を立ち上げたシリアルアントレプレナーでもある。当事者としてさまざまなスタートアップと関わる中で直面したのは、起業家が自分たちの施策の正しさを判断するための具体的な基準が存在しないこと。そうした問題意識から、起業を「科学」に昇華させるための研究をスタートさせた。

研究には5年の歳月をかけた。1000人以上の起業家や投資家とディスカッションを重ね、さらに企業に関する理論書や起業家の自伝300冊、ブログ500本、講演動画1000本を精査。そこから導き出した結論は、起業はサイエンスというものだった。

起業が持つアート性を否定しているわけではない。田所氏によると、アマゾンやフェイスブックのようなメガベンチャーをつくることは、むしろより難易度が高く再現性が低いアートの領域だという。一方で、スタートアップが陥りがちな失敗は、基本的な型を踏まえることによって高い確率で回避できるという。失敗しないスタートアップは、再現性の高い科学の領域なのだ。

失敗の99%は科学的アプローチで潰せる

田所氏が研究成果をまとめたスライド集は、全世界で5万回シェアされている。さらにスライド集を書籍化した『起業の科学 スタートアップサイエンス』は、スタートアップ界隈で大きな反響を巻き起こしている。

では、具体的にどのような科学的アプローチでスタートアップを成功に導くのか。注目は「Product Market Fit(PMF)」だ。米国の有力ベンチャーキャピタルであるアンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者マーク・アンドリーセンは、かつて次のように語った。

「スタートアップの生死を分けるのは、Product Market Fit(市場で顧客から熱狂的に愛される製品のこと)を達成できるかできないかだ」

PMFを達成するプロセスを導くにあたり、海外ではエアビーアンドビーやダイソン、国内では「スマート保育園」を標榜するユニファなどの事例を参考にしている。

田所氏もPMFの達成をゴールに設定しているが、特徴的なのは、PMFを達成して成功するまでのプロセスを20のステップに定義している点だ。起業家は、このプロセスを参照することで自社の事業の進捗を把握できる。また、時期尚早な拡大によって資金がショートするスタートアップは少なくないが、20ステップを順に踏んでいけば、資金を適切なタイミングで効果的に使うことができるだろう。

著書では、各ステップにおいて取るべきアクションが紹介されている。たとえばアイデアを検証するステージでは、PEST分析でタイミングを見極めたり、リーンキャンバスという手法でプランAを作成したりといった具合だ。やるべきことが具体的に示されているので、次に何をすべきかと途方に暮れることはない。誰でも再現が可能という点で、まさしく科学的といえる。

これらのアクションを一つひとつ実践していけば、事業が暗礁に乗り上げる確率を抑えられる。田所氏いわく、「失敗の99%は潰せる」のだ。

日本のスタートアップは海外で勝てるのか

田所氏は日本のスタートアップが海外進出に苦戦している理由を「5つの条件を満たしている会社が少ないから」と分析する。5つの条件とは、Want(創業者/経営陣が海外展開への強い意志があるか)、Can(海外で戦うための圧倒的な優位性を持っているか)、Needed(国内と比べ海外の方が潜在的な市場が大きい、またはニーズが高いか)、Get paid(取り組んでいる市場がグローバルで参入障壁が低いか)、Growth Story(海外展開することで自社の成長イメージを描くことができるか)である。

これらの条件が揃い、海外展開へ成功している企業にはメルカリやメタップス、テラモーターズなどが挙げられるという。

このスタートアップサイエンスには普遍性があり、その方法論の有効性は国や地域を問わない。海外展開を目指す日本のスタートアップにも大いに参考になるはずだ。

では、世界のスタートアップを知る田所氏の目に、そもそも現在の日本のスタートアップはどのように映っているのだろうか。

3/23(金)、 経済産業省がベンチャー企業を世界のイノベーション都市に派遣して海外展開をサポートする事業「飛躍 Next Enterprise」の報告会が行われる。

イベント当日は田所氏と、設立2年で電動バイク市場の国内シェアNo.1を獲得後、アジア市場に目を向け、現在ベトナム、バングラデシュ、インドで市場占有率を上げているテラモーターズCEOの徳重徹氏、そして数々の取材を通じてシリコンバレーをはじめとする海外のスタートアップやそれを取り巻く環境などに詳しいForbes JAPAN編集次長兼WEB編集長の九法崇雄によるパネルディスカッションが行なわれる。「海外展開に挑む日本企業の在るべき姿とは?」というテーマで、投資家、起業家、メディアの3つの視点から話が展開される予定だ。

海外に挑む日本のスタートアップには、はたしてどのようなアクションが求められるのか。リアルな話が聞ける貴重な機会なので、ぜひご参加を!


海外展開に挑む日本企業の今と未来に触れる! ~世界を目指すベンチャー企業派遣事業報告会(飛躍 Next Enterprise)~
※本イベントは終了しました


開催日:2018年3月23日(金)
時間:15:00-18:00 (受付:14:30)
18:00-20:00 ネットワーキング(任意参加)
参加費:無料(ネットワーキング参加の場合は¥3,000)
会場:Nagatacho GRID 6F Attic
東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRID 6F Attic
イベント詳細:http://eventregist.com/e/q5yXlu2sxxeF

※15:00-18:00のセッションの参加費は無料です。18:00-20:00のネットワーキングは参加費3,000円となります。今年度海外に派遣された企業や海外展開に興味を持っている様々な方々と交流を深めることができますので、ぜひこの機会をご活用ください。参加を希望される方は、チケットの買い間違えが無い様、お気を付けください。

※コンテンツ内容は、事前告知なく変更になる可能性が御座います。

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