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インタビュー

ベーシック・カイマサユキがフォーム作成・管理ツール「formrun」の月次売上を10倍に伸ばした施策とは?

最終更新日:2023.05.23

若手キーパーソンに直撃 #02

株式会社ベーシック SaaS事業部 formrunグループ プロダクトオーナー

カイ マサユキ

会員登録や資料請求などの入力フォームを簡単に作成・管理できるツール「formrun(フォームラン)」が、マーケティング業界で脚光を浴びています。ベーシックによる買収から2年足らずで、月次の売り上げが10倍と大きく成長したからです。そんな成長の牽引役を務めているのが、formrunの事業責任を担うプロダクトオーナーのカイマサユキ(甲斐雅之)さんです。

プロダクトオーナー就任時、カイさんはformrunチームで最年少の25歳。マーケティングの体制もほとんど整っていない状態から仕組みをつくり、手探りで成功体験を積み重ねながら売り上げを伸ばしてきました。では、カイさんは一体どのような施策によって、成果を達成してきたのでしょうか。

ファッション業界向けにITサービスを提供するANAP子会社CMO/Narcissist,Inc. CEOで、ECサイトを始め、マーケティング全般のコンサルタントを行う駒宮直樹が、若手キーパーソンに「明日から使えるマーケティングTips」を尋ねる連載第2回。今回は、ベーシックSaaS事業部formrunグループ プロダクトオーナーのカイマサユキさんに話を伺いました。

(聞き手:駒宮直樹、構成:Marketing Native編集長・佐藤綾美、撮影:矢島宏樹)

目次

入社当初から上司の仕事も自分が担えるように動いた

駒宮 まずは、カイさんがどのような経験を積んできたのか、経歴を教えてください。

カイさん(以下、カイ) 大学生のときに塾講師のアルバイトを2年くらいやった後、Webマーケティングに興味を持ち、自分でTwitterやFacebook、LINE@を運用していました。Twitterで自分の匿名アカウントのフォロワーを1万人近くまで増やせたことから、フォロワーの伸ばし方がわかり、学生ながら企業から業務委託でソーシャルメディアの活用や戦略立案の仕事を請け負うようになりました。

マーケティングコンサルタントのような仕事をやってはみたものの、個人で請け負う状態では自分が動いた分しかお金が入りませんし、成果のインパクトも限られます。「このままでは、ビジネスがスケールしないな」と思い、Webマーケターなら誰もが知っているような企業に身を置こうと思いました。それで、ベーシックの選考を受けたんです。

駒宮 カイさんはベーシックに新卒で入社しているんですね。

カイ 2016年にベーシックに入社してから、2018年2月にformrunのプロダクトオーナーになるまで、さまざまな部署を経験しました。

最初にWebメディアferretの部署に配属されました。当時上司だったのが、飯髙(悠太・現在は株式会社ホットリンク執行役員CMO)さんです。ferretのソーシャルメディア周りの運用を任されて、飯髙さんがソーシャルメディア活用以外の仕事に専念できるように努めました(とはいえ、現在のようにご本人のアカウントでツイートはしていましたが笑)。基本的には最初から任せられる領域が少なかったとしても、「それやらせてください!」と前のめりに手を挙げることが、結果的にチームのためとなり、自分の成長にもつながりました。

入社当初から、上司の仕事を自分が担えるようになれば、その分上司も一つ上のレベルの高い仕事ができるようになると考えて動いていました。ferretの後に異動した部署でも同じです。ferret OneというBtoBのWebマーケティングツールの部署ではインサイドセールスやカスタマーサクセス(以後、CS)を経験し、2017年にECの部署へ異動したのですが、これが一つの転機だったと思います。

駒宮 なるほど、上司の仕事を積極的に取りに行くようにしていたと。ECの部署も経験されていたとは知りませんでした。

カイ ECの部署では、スマホケースなどのオリジナルグッズを制作できるCanvath(※1)というサービスを運営していました。ビジネスサイドの人員が不足していたことから、僕が担ったのは部長直下で動くディレクター職です。CSチームの立ち上げやWebサイトのディレクション、イベント運営など、その部署ではまだ誰もやったことがないような仕事を、どんどん切り拓く役割を期待され、仕事に取り組んでいました。当時の上司から仕事を振られた記憶がほとんどないので、基本的なスタンスとしては自ら取りに行っていたと思います。

Canvathのときの上司は、毎朝出社後に必ずデイリーの売り上げを確認する人でした。1日ごとに売り上げのKPIを置いて、前日の数字を基にチームへフィードバックしてくれるので、次第に自分もチェックするようになりました。毎日の数値確認は当たり前で、事業責任者になりたいなら、最低限やるべきことなのだと学びました。

※1:2018年3月にベーシックからGMOペパボ株式会社に譲渡されている。

駒宮 僕もECでキャリアを積んできたので、わかります。毎日売り上げの数字を確認する癖をつけると、肌感というか、数値感覚が身に付くんですよね。Canvathの後が、formrunのプロダクトオーナーですか。

カイ はい、そうです。自分の役割をきちんと務めて、上司の仕事も積極的に巻き取ってきた過去の積み重ねがあるから、formrunのプロダクトオーナーも任せてもらえたんだと思います。

ユーザー目線をとにかく重視

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・「破滅」のおかげで話しかけられるハードルが下がった
・守るばかりではなく、攻めの施策も積極的に行う

記事執筆者

佐藤綾美

株式会社CINC社員、Marketing Native 編集長。大学卒業後、出版社にて教養カルチャー誌などの雑誌編集者を経験し、2016年より株式会社CINCにジョイン。
X:@sleepy_as
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