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「インサイドセールスによる新時代のセールスモデル」SPIC2019イベントレポート

2019年7月「テクノロジーと企業経営の未来を考える」をテーマとしたカンファレンスSPIC2019(Saas Productivity Improvement Conference)が、マーケティングメディアのferretやWEBマーケティングノウハウを提供するferret Oneを展開している株式会社ベーシック主催で開催された。最新のSaaSに関する情報提供はもちろん、実際にSaaSサービスを利用しているユーザー企業がパネルディスカッションを行い、実例学習が可能となっているのが特徴である。
本稿では、複数あるパネルディスカッションの中でも、セールスをテーマとした「インサイドセールスによる新時代のセールスモデル」の模様を一部抜粋してお伝えする。


(左から朝日インタラクティブ株式会社 別井貴志氏、ベルフェイス株式会社 西山直樹氏、freee株式会社 渡邉俊氏、株式会社セールスフォース・ドットコム 鈴木淳一氏、アライドアーキテクツ株式会社 藤田佳佑氏)

「インサイドセールスによる新時代のセールスモデル」と題したセールスセッションでは、SaaS提供企業として営業に特化したWEB会議システム「ベルフェイス」を提供する、ベルフェイス株式会社取締役 インサイドセールス支援事業部長の西山直樹氏と、顧客管理・営業支援のクラウドサービス「セールスフォース」を提供する、株式会社セールスフォース・ドットコム セールスデベロップメント本部コマーシャル営業部事業部長の鈴木淳一氏が登壇。

そして、ベルフェイスのユーザー企業として、クラウド会計ソフトを提供するfreee株式会社SMB事業部部長の渡邉俊氏が。セールスフォースのユーザー企業として、企業のSNSマーケティング支援を行っているアライドアーキテクツ株式会社 執行役員の藤田佳佑氏が登壇した。モデレーターは朝日インタラクティブ株式会社編集統括の別井貴志氏が務めた。

本セッションは各サービス提供企業がサービスの説明を行った後、ユーザー企業が組織の現状、課題感、サービス導入背景や選定理由などを語っていく流れで始まった。

目次

サービス提供企業概要

ベルフェイスの特徴

  • ・営業に特化したWEB会議システムでインターネットが繋がったPCやスマホがあれば対面営業が可能
  • ・1,000社35,000ユーザーが利用中
  • ・セールスフォース連携によって商談時の基本情報が自動で入力される仕組みを提供

 

セールスフォースの特徴

  • ・顧客管理、営業支援に特化したクラウドサービス
  • ・アインシュタインといったAI分析機能が追加され企業様への新たな気付きを提供
  • ・THE MODELといった分業制を敷いて生産性を高めるノウハウも提供

サービス提供企業の簡単な説明が終了すると、ベルフェイスユーザーのfreee渡邉氏がインサイドセールスを推進するうえで当時の組織の課題やベルフェイス導入を決めた背景などを語り始めた。

渡邉(freee)freeeは2014年からインサイドセールスを推進していました。というのも、当時freeeは月額数千円のプロダクトをフィールドセールスでクロージングまで行っていました。ですが、全ての商談をフィールドセールスで行うには、交通費や訪問時間などのコストがかかるため、当時の売上げに対して費用対効果が良くないのではと感じていました。

そこでインサイドセールスというやり方を導入し、テクノロジーを利用してコストに関する問題を解決していった、という背景があります。

渡邉氏はクロージングにおいて、インサイドセールスとフィールドセールスの見極めを行う際に次のような基準があると語る。

渡邉(freee)弊社では営業活動を行う上で訪問するかしないかを3つの条件で見極め、判断しています。

  • ・企業規模が50名以上であること
  • ・想定単価が50万円以上であること
  • ・サービスを導入するうえで商談相手の決裁権有無

この条件に該当した場合にフィールドセールスが訪問をするケースが多いですね。もちろん、この条件に該当しない企業様も多くいらっしゃいます。そこでインサイドセールスのニーズが高まってくるんです。

渡邉(freee):更にインサイドセールスでのクロージングを推進していく中でいろいろと課題も出てきたので、それらを解消するためにオンライン商談ツールのベルフェイスを導入しました。

なぜベルフェイスだったのか。渡邉氏はその理由を次のように解説した。

渡邉(freee)2017年までは無料の外資のソリューションを利用していたのですが、どうしてもクライアントPCに何かしらのアプリケーションをインストールしなくてはならないといった制約事項があり、ユーザビリティの低さを感じていました。加えて、クロージングをしている際にハウリングを起こしてしまい営業活動に支障をきたしていたため、その音声品質が改善されるといった部分も導入に至る大きな理由でした。

更に渡邉氏は、ベルフェイスを利用したインサイドセールスとSaaSを提供する企業との相性の良さをこう続ける。

渡邉(freee)最大のメリットはクロージング時のユーザー体験を提供できることです。弊社はSaaSプロダクトを販売していますので基本的にはインターネット環境を利用してプロダクトをデモすることが多いです。ですので利用する環境にあわせて実際に操作して頂いたり、画面を見てもらうなど見込み顧客の利用環境にあわせて体験出来るという部分がインサイドセールスのメリットだと考えています。

続いてセールスフォースユーザー企業のアライドアーキテクツ藤田氏はサービスの活用で得られた成果や成功要因をこう語った。

藤田(アライドアーキテクツ):弊社は2012年くらいからセールスフォースを導入していました。ですが、私が入社をした2013年の利用状況はアポイント獲得という一部のセールスプロセス以外セールスフォースに何も記録していないという状況で、入力されているはずの取引先情報などもスカスカといった利用状況でした。

 藤田氏は生産性改善をテーマにセールスフォースを活用したインサイドセールス組織の取り組みの成果を公表した。

藤田(アライドアーキテクツ):弊社のように実際にSFAなどを導入しても活用しきれていない企業が多いと思います。そこで弊社が生産性改善というテーマでセールスフォースを活用してインサイドセールス組織を中心に取り組んでどのような成果を得られたかをお伝えします。

  • ・トップセールスの成果が1.5倍
  • ・単月の受注の総額が前年比で1.7倍
  • ・採用している新卒の受注貢献が例年と比較し1.2倍

こちらが生産性の改善が見えた成果です。

藤田氏はインサイドセールス組織の立ち上げは短くても6カ月以上はかかると語り、短期間で成果を創出することができた要因をこうコメントした。

藤田(アライドアーキテクツ):数字が改善されたポイントは

  • ・トップセールスをインサイドセールスのチームリーダーへ配置転換
  • ・マーケティングとセールスの責任者を同一人物で統一

他にも色々なことにチャレンジしましたがトップセールスのアポイント獲得ノウハウをインサイドセールス組織のメンバーへ踏襲させたのは組織が変わるきっかけとなりました。

インサイドセールス組織立ち上げの際の不満や、導入ツールの選定基準といった質問に対してパネラー陣はこう答えている。

藤田(アライドアーキテクツ):元々は社長がセールスフォースのようなインサイドセールス組織を作っていこうよ、とトップダウンの指示で組織化することは決まっていたので、私が営業部長としてきちんと腹落ちさせてメンバーに説明しました。具体的には、「今この取り組みを行うと未来の営業活動の生産性が上がって良いことがあるのでやろう!」と伝えました。

他社さんにこういった話をすると「うちはメンバーから結構アレルギーが出る」と言われることもあるので会社の文化にあわせて、新しいことに何故、どうやって取り組むかなどの方針を伝えることが大事だと思います。またインサイドセールスの立ち上げはすぐに成果が出るものではないのでどこまで我慢するのかも大事なポイントですね。

藤田(アライドアーキテクツ):またインサイドセールス組織で生産性を向上させるためにテックツールは必要不可欠ですが難しいのが選定基準だと思います。初めての取り組みの場合、実際に業務をやってみないことには課題感は掴みにくいものです。

ですが選定において私が大事だと感じている基準は、実際にテックツール選定した決裁者が導入するツールを愛しているかが大事だと思っています。例えば、テックツールを使用しながら仕事を進めていく中でメンバーから「この部分をMAと連携させたいけど機能的に出来ないのか…」とか「さすがにこの情報はSFAに入力しなくていいよね…」とかメンバーがネガティブに迷うことって絶対起きるんですよね。

そういう場面で決裁者が「その情報を入力しておけば、商談の場面で絶対に利用できるから入力しよう!」と未来やそのツールを利用して実現したい思想などを伝え続けるのが、浸透する上では大切な要素だと思いますね。

渡邉(freee):決裁者が推進に向けてコミットメントしているかは大事ですよね。あとテックツールを流行っているから導入するなど、導入が目的化してしまうのも失敗につながりやすくなりますね。

何故なら、課題解決に向けてはセールスファネルの課題がどこにあるのかKPIを設計し、チェックして課題を見極めて最適な一手を打つ必要があります。テックツールはあくまで手段の中の1つとして選定するソリューションであるべきだと思っています。

渡邉(freee):弊社がベルフェイスを導入した際は案件化率を改善する為に音声の品質やユーザーエクスペリエンスを向上させるといった課題が見えていたので導入しました。ですので、目的にせず手段と意識することが大事なのではないかなと思います。

最後にインサイドセールス組織を推進するリーダーに必要な要素についてパネラー陣はこう答えている。

渡邉(freee):必要な要素としては経営者に近い目線でセールスファネルから課題を推察できることかなと思っています。セールスの変数をきちんと見て課題がどこにあるのかを特定して適切な一手が打つことが出来ていないと、インサイドセールスのオペレーションマネジメントは難しいかと思います。

藤田(アライドアーキテクツ):すごく細かい失敗と改善を繰り返すことが好きな人が向いているかと思います。インサイドセールス組織の立ち上げが最初からうまくいきましたという話は聞いたことがありません。ですので、推進することで未来の生産性が上がるから成し遂げようと思える人、

うまくいかないことが続いた時でも、ほんの少し改善したらうまくいく確率が上がったって笑える人。そんな素質がインサイドセールス組織を推進する方には必要だと思います。

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